CONCRETE

この音楽は齋藤マコトの脈博ではなかろうか。
それほど密閉されていない屋根裏部屋かなんかで、町の夕景を眺め、すわっていると、トクン、トクンという自分の脈が聴こえてくる。ほう、ガムラン風のリズムだ。なにかチベットの詠唱もまじってきた。おや、遠くからブラジルのビリンバオも響く……
種子にいろんな花を咲かせる因子があるように、おれはアフリカ人であり、バイキングであり、チベットの僧だったのか。そんな音楽だ。

評論家 平岡正明